第7日目、あぁ、愛しの妻よ、史上最大のピンチ

明け方、喉が痛くて眠れないよ〜(泣)と妻に起こされた。
ハーハー息が荒く、かなり辛そうだ。
早めに薬を飲ませる。
おかしい。
薬を飲んでる割には一向に良くならない。
とてもゲームドライブどころではない。
しかも今日は移動日だ。
ゆっくり寝てもいられない。
デセプションバレーロッジには行かないで、このままマウンまで行くか?
妻は行く、と返事。
とにかく移動の準備を独りで全てすませる。
朝になり、フルーツを持っていくがやはり全く食べない。
ウィダーインゼリーを少し飲んだだけだ。
点滴がないか、スタッフのミミーに聞いてみる。
何とか見つかった。
中身を確認すると、単なるリンゲル液でカロリーはないが、水分補給できるだけマシだ。
やった、アルコール綿、針、チューブ類もあるぞ。

カラハリ砂漠

しか〜し!点滴の期限が2002年4月(今は2003年7月)、1年以上前に切れている!
一応妻に聞いてみると、「そんなの絶対にイヤッ!」
水にNaやKが入ってるだけだから、期限切れてても平気な気はするが・・・
「絶対にイヤッッ!!!」
・・・・・・。
仕方ない。
出発ギリギリまでベッドで休むことにした。
でも念のため点滴セットはもらっておくことにする。
ゲームドライブからJanetたちが帰ってきた。
何と、子供のカバをライオン8頭が襲って喰らいつく、という壮絶なシーンを見たらしい!
Lucieは目を背けていたとのこと。
がび〜ん!!
こういう時に限って滅多に見れないシーンがあるんだよなー。
でも妻はそれどころではなく、仕方がない。
それが自然を相手にするゲームドライブというものだ。
11時過ぎ、けだるそうな妻を連れて出発だ。
ベルギー人の夫婦と一緒にセスナに乗り込み、モンツォにさよなら。
10分後、ベルギー人はcamp okabangoで降りていった。
マウンへはさらに30分。
ここでニューヨークから来た白人の女の子を独り乗せ、デセプションバレーロッジへ30分。
この女の子はヴィクトリアフォールズで何かボランティアをしていたらしい。
風景は、湿地帯から乾燥した大地へと変化していった。

カラハリ砂漠
中央にデセプションバレーロッジ

マウンの町並み

到着したら、ドイツ人の家族と再会。
僕らの乗ってきたセスナで帰っていった。
ここのロッジはまたいい感じだ。
うちらの部屋は、一番奥のロッジ。
3分ぐらいだが、炎天下の歩行は妻にはきついだろう。
部屋はかなりゴージャス。
テントではなく、1軒のロッジなので壁があり、何となく安心できる。
リビングルームにはソファ、バスルームは猫足のバスタブつき。
お湯も24時間使える、とのこと。
アウトドアシャワー、ミニバーまで完備されている!
ここなら安心してゆっくり休めそうだ。
スタッフより、ライオンが入ってくるから戸は必ず閉めるように何度も念を押された。
周囲の写真を撮って部屋に戻ると、妻がベッドの上で土下座のポーズでハーハー息が荒い。
見るからに具合が悪い!
唇が乾燥しきっている!
明らかに脱水症状だ。
放って置いたら死ぬなこりゃ。
そう、ここは乾燥したカラハリ砂漠のど真ん中。
夕方のゲームドライブから帰ってきたらカピカピに干からびてるかもしれない。

クリニックの会計で
左が黒人係員

あと1個しかない使い捨て体温計を使ってみると、37.9℃もある!
ロキソニン(解熱鎮痛剤)、抗生剤を3日前から飲んでるのにそんなに熱があるのは絶対におかしい!
喉を強烈に痛がってるが、ただの風邪ではない。
しかしマラリアにしては潜伏期間が短すぎる。
アフリカ特有のヤバイ病気か?
俺の知らない病気があっても何ら不思議ではない。
もうすぐゲームドライブの時間だ。
決断せねば!!
旅行を中止してヨハネスブルグに戻るか?
ヨハネスブルグのホリデーインホテルに行けば、医者を呼んでもらえるだろうし、あそこならゆっくり休めるぞ。
待て、待てぃ!慌てるな!ここのロッジは去年からずーっと楽しみにしていたロッジじゃないか。
ミーアキャットやブラウンハイエナに出会えるかもしれない。
何でもない病気で寝ていれば良くなるんじゃないか?
大丈夫、人間、そう簡単には死なないよ。
それよりミーアキャットが楽しみだ〜
心の中で天使と悪魔が対決だ!
・・・・・・。
こんな砂漠で死なれたら、生涯呪われ続けるだろうな。
決めた!スタッフに言って明日にでも迎えに来てもらってヨハネスブルグに行こう。
妻に告げ、レセプションへ走った。
どうやら天使が僅差で勝ったようだ。

スタッフに言うと、すぐに緊急メールしてくれた。
電話はないので、いつ先方がメールを見るか分からない、とのこと。
しかし、可能ならば今日にでもマウンに行ったほうがいい、いい病院がある、とのこと。
そうか、今日の移動も場合によって可能なのか。
しかしいつ返事が来るか分からないので点滴がないかここでも探してもらう。
あった。しかしやはり期限切れだ。
しかも2年以上前に切れてる。
部屋で待機しているとすぐにスタッフが来た。
マウンへのセスナ、今日のマウンのホテル、明日のヨハネスブルグへのフライト変更を手配した。
対応が早い。

CRESTA Rileys Hotel

1時間後セスナが到着し滑走路へ。
途中、クドゥ、ダチョウ、ステインボック、コリーバスタードに出会った。
滑走路ではチーターの足跡。まだ新しい。
ブラウンハイエナ、ミーアキャットは難しい、とのこと。
セスナでマウンへ。
白人の係員が迎えに来た。
クリニックに行く手配とホテル、明日の航空券のチケットを親切に説明してくれた。
黒人の係員に指示して、軽ワゴンの荷台に乗り込む。
乗るのが結構大変だ。
黒人係員が弱っている妻もそこに乗せようとしたため、白人係員が助手席に乗せてやれ、と怒っていた。
白人係員にお礼を言って出発。
2-3分でクリニックに到着。
かなり綺麗だ。
受付で必要事項を記入して待つ。
受付の子が玄関前で談笑していた黒人Dr.に声をかけ、診察室へ通された。


これまでの経過、解熱剤を使用しても全く効果なかったこと、自分がDr.であること等を説明した。
Dr.は特殊な器具で喉を見て、すぐにFluと診断。
おまえも見てみろ、と言うので見てみたが、器具が特殊でよくわからなかった。
小さいルーペにペンライトが付いたようなものだが、焦点が合ってないようだった。
インフルエンザかぁー!?
「今流行ってるんですよー。」と説明。
流行ってる?、今は7月だぞ。
ん?そうか、ここは南半球だから冬だ。
冬と言っても、日中はかなり暑いのだが。
たしかにインフルエンザなら症状の説明もつくし、解熱剤でも下がらないことはある。
熱は下がってきて、たくさんの汚い痰と咳がでるようになっているので、二次感染の状態だ。
咳、痰の液体の薬、抗生剤を処方された。
点滴してくれ、と申し出ると、入院する?と聞いてきた。
点滴すると入院になるのか。
妻の顔色は既に改善傾向であったので、このままホテルに行くことにした。
感じのいいDr.だったな。

CRESTA Rileys Hotel

そうかー、インフルエンザだったかー。
7月だから考えもしなかった。
日本では乾燥した冬の12月下旬から3月上旬に流行する。
とにかくやばい病気でなくて良かった。
妻は診断受けた安心感からか、かなり顔色はいい。
薬を受け取り支払いを済ませホテルへ移動した。
黒人係員、明日13:30に迎えにくるとのこと。
どうも感じの悪い奴だな。
おまえイヤイヤ仕事してるだろ?

CRESTA Rileys Hotel。
おそらくマウンでは最高級のホテルなのだろう。
Bedは綺麗だが、トイレは臭い。
妻は安心して就寝。
明日のヨハネスブルグまでの手配は完了。
明後日はホリデーインに宿泊することになっているが、明日の分を手配しないといけない。
TEL番号は知らないし・・・
そうだ、ヨハネスブルグで声をかけてくれた道祖神さんの名刺があったはずだ。
そこへ電話して事情を話す。
ホテルは今の時期予約しなくても問題ないですよ、との返事。
OK!手配は完了だ。
適当に過ごし夕食はroom serviceにした。
サンドウィッチの肉は無茶苦茶硬い!
しかしroom serviceがあるだけマシだろう。
ふぃ〜、とにかく安心して就寝した。

room serviceのサンドウィッチ

<本日出会った動物たち>
クドゥ、ダチョウ、ステインボック、コリーバスタード